トイレをおしゃれな照明で快適な空間にできる【トイレ照明編】
限られた空間だからこそ、光の使い方で印象が大きく変わるのがトイレ照明です。
照明の色温度や配置を工夫するだけで、清潔感・広がり・落ち着きといった印象を自由に演出できます。今回は、トイレをおしゃれに見せる照明の選び方と、実際に取り入れやすいアイデアを照明士の視点で解説します。
トイレ照明に使われる主なタイプ
トイレには、天井にすっきり収まるダウンライトや、壁面を柔らかく照らすブラケットライトがよく使われます。
また、照明を自動で点灯・消灯できる人感センサー付きタイプは、消し忘れを防げるうえ、省エネ性も高く人気です。
近年は天井や壁だけでなく、手洗いカウンター下や奥壁に間接照明を入れるケースも増えています。明暗のコントラストをつけることで、限られた空間でも立体感と落ち着きを感じられる照明演出が可能です。
【明るさの基準】
トイレの明るさは、1〜2畳の空間でおおよそ300〜500ルーメン(約40W相当)が目安です。
天井が高い場合や壁が濃い色の場合は、やや明るめの600〜700ルーメンを選ぶと安心です。
LED照明では光の拡散性が異なるため、広がりを持たせたい場合は拡散カバー付きの器具を選ぶと、均一な明るさを保てます。逆に、柔らかい印象を重視したい場合は電球色(2700〜3000K)を選ぶと、清潔感の中に温かみを加えられます。
造作照明でやさしい明るさをつくる
天井や奥壁に造作を設けて間接照明を仕込むと、光が壁や天井をやわらかく照らし、まぶしさのない快適な空間になります。
直接光を避けることで陰影が生まれ、清潔感の中にも落ち着きのある雰囲気を演出できます。
カウンター下の間接照明でデザイン性を高める
手洗いカウンターの下に間接照明を仕込むと、足元から柔らかな光が広がり、トイレ全体の印象が上品にまとまります。設計段階でコンセントを照明スイッチと連動させておくと、後から置き型スタンドを追加する際も便利です。
トイレ照明選びのポイントまとめ
トイレ照明は、機能性だけでなく「居心地」を左右する重要な要素です。
限られた空間に合う灯りを計画することで、日常の快適さと上質感を両立できます。ここでは、実際の施工で重視すべきポイントを2つ紹介します。
【居心地を左右する】機能と実用性の選び方
人感センサーの設置位置
トイレ照明を自動で点灯させる人感センサーは、ドアの正面や天井中央など、入室時に最も早く反応できる位置に設置するのが理想です。
ただし、便座に座ったままでも反応してしまうと不快に感じる場合があるため、検知角度を制御できるタイプを選ぶのがおすすめです。
小型空間では天井埋め込み型のセンサー付きダウンライト、広めの空間では壁面に独立センサーを設けると安定して動作します。
掃除しやすいデザインを選ぶ
トイレは湿気やホコリが溜まりやすいため、フラット形状のシーリングライトや、ガラスやアクリルカバー付きのブラケットライトがメンテナンス面で有利です。
装飾の凹凸が多いデザインはおしゃれですが、清掃頻度が増える点に注意が必要です。デザインと実用性のバランスを考え、「掃除が簡単で見た目もすっきり」した照明を選ぶことが、長く快適に使うコツです。
これらのポイントを踏まえると、トイレ照明は単なる明るさではなく、快適性とデザイン性を両立する“環境づくり”であることがわかります。
照明士が監修した洗面所・トイレ照明一覧も参考にしてみてください。
