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ハーマンミラーのバブルランプ

ジョージ・ネルソンとバブルランプの歴史|ハーマンミラーが受け継ぐミッドセンチュリーデザイン

ジョージ・ネルソンがデザインした「バブルランプ」は、ミッドセンチュリーを代表する照明として世界中で愛されています。1950年代に誕生したこのシリーズは、独自のフォルムと機能性を兼ね備え、半世紀以上を経た今も変わらぬ魅力を放ち続けています。

本記事では、バブルランプがどのように生まれ、製造会社を移行しながらも受け継がれてきたのか、そしてミッドセンチュリー・デザイン運動における位置づけを、歴史の流れに沿って解説します。

ジョージ・ネルソンとハーマンミラーの出会い

ジョージ・ネルソン(George Nelson)

ジョージ・ネルソン(1908-1986)は、20世紀を代表するアメリカのインテリアデザイナーです。建築家として活動していた彼は、1945年にハーマンミラー社のデザインディレクターに就任しました。

当時のハーマンミラー社は、伝統的な家具メーカーからモダンデザインの先駆者へと転換を図っていました。ネルソンは、チャールズ&レイ・イームズ、イサム・ノグチといった才能あるデザイナーたちをハーマンミラーに紹介し、ミッドセンチュリー・モダンという新しいデザイン運動の中心を作り上げていきます。

バブルランプの誕生(1952年)

バブルランプは1952年、ジョージ・ネルソンによってデザインされました。誕生のきっかけは、ストックホルムで見かけた高価なシルク製のランタンだったと言われています。ネルソンは、その柔らかな光を庶民的な価格で実現できないかと考え、独自の製法を開発しました。

製法の特徴
バブルランプは、その形状からもシャンデリアやスチール照明、ガラス照明などのデザインとは一線を画しており、インテリアに華やかさとモダンな雰囲気をもたらします。また、ランプシェードから柔らかい光を全体に放つため、空間に温かみを与えます。

当初はハワード・ミラー社で製造が開始され、手頃な価格で提供されたことで一般家庭にも広く受け入れられました。

ミッドセンチュリー・デザイン運動の中心へ

1940年代から1960年代にかけて、アメリカを中心に「ミッドセンチュリー・モダン」と呼ばれるデザイン運動が広がりました。機能性とシンプルなフォルム、有機的な曲線を特徴とするこのスタイルは、戦後の新しい生活様式を象徴するものでした。

バブルランプは、その代表的なアイテムの一つとして位置づけられます。シャンデリアやガラス照明のような装飾性ではなく、シェード全体から柔らかく拡散する光が空間に温かみをもたらし、モダンでありながら親しみやすい雰囲気を演出しました。

ジョージ・ネルソンは、マシュマロソファ、ボールクロックといった家具や時計のデザインでも知られており、バブルランプと合わせて「ネルソン・スタイル」として認知されていきます。

製造会社の変遷と技術の継承

バブルランプの骨組み

バブルランプは、その後数十年にわたって製造会社を移行しながらも、基本的な製法と品質を守り続けてきました。

製造の変遷
- 1952年〜:ハワード・ミラー社で製造開始
- 1960年代〜:モダニカ社が製造を引き継ぐ
- 2000年代〜:ハーマンミラー社がライセンスを取得し、正式な復刻版として製造

モダニカ社時代には、オリジナルの製造機械を使い続けることで当時の質感を保ちました。ハーマンミラー社による現在の製造でも、プロダクトの完成度を重視する同社の姿勢により、変わらぬクオリティが実現されています。

LED電球にも対応し、1950年代にデザインされながらも省エネルギーで環境に配慮した照明として現代の生活に溶け込んでいます。

MOMAに収蔵されるデザインの価値

バブルランプは、そのデザイン性と歴史的価値から、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションに収蔵されています。

MoMAは、20世紀を代表する優れたデザインを収集・展示する美術館として知られており、バブルランプはイームズのラウンジチェアやノグチのコーヒーテーブルと並び、ミッドセンチュリー・デザインの象徴として評価されています。

また、その独特なフォルムは映画のセットや舞台美術でも活用され、視覚的なインパクトと幻想的な雰囲気を演出する照明として、デザインの枠を超えた文化的影響を与えてきました。

まとめ:受け継がれるデザインの遺産

バブルランプは、ジョージ・ネルソンの創造性とハーマンミラー社のモノづくりへの姿勢が結びついて生まれた、20世紀デザイン史における重要な作品です。

70年以上の時を経ても色褪せない魅力は、単なる「おしゃれな照明」ではなく、時代を超えて受け継がれるデザインの価値を体現しています。製造会社が変わっても守り続けられてきた製法と品質は、デザインの本質が「流行」ではなく「普遍性」にあることを示しています。

ミッドセンチュリー・デザインに興味がある方、デザイン史を学びたい方にとって、バブルランプはその出発点として最適な存在と言えるでしょう。

現在も多様な形状・サイズのバブルランプが製造されており、ペンダントライトからフロアランプまで、空間に合わせた選択が可能です。詳しくはBUBBLELAMP(バブルランプ)商品一覧をご覧ください。

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