
美容室におすすめの照明と選び方を解説
更新日:2022/12/16
美容室ではカラーリングの色合いなどもチェックしなければならないので、照度だけでなく、色の見え方にも配慮して照明を選びましょう。 美容室ではペンダントライトやシーリングライト、スポットライトなどが人気ですが、それぞれデザインや光量に違いがありますので、お店の雰囲気やイメージに合わせて選ぶのがポイントです。
美容室の雰囲気やイメージに合った照明を選ぼう

美容室は法律で100ルクス以上の明るさを確保することを義務づけられていますが、安全面や仕上がりを考えると、1,000ルクス程度の照度をキープするのが理想です。雰囲気と快適性を兼ね備えた照明選びを紹介します。
美容室に合うおすすめの照明5選と特徴を紹介
店舗に採用される照明にはさまざまな種類があります。 ここでは美容室におすすめの5つの照明とそれぞれの特徴をまとめました。
1. 美容室の演出に最適な照明:ペンダントライト

ペンダントライトとは、チェーンやコードなどで天井から吊り下げられた照明のことです。
「魅せる照明」としてお店のインテリアに活用できるため、外観のデザインもクールなインテリアからアンティークモダン、和風、レトロまで、幅広いバリエーションがそろっています。ペンダントライトの注意点もあります、吊り位置を低くしすぎると、お客様の頭にぶつかってしまうおそれがありますので、店内の中央に設置するよりは、各ブースの鏡の上など、移動の邪魔にならない場所に配置するなど設置場所には十分な配慮が必要です。
また、美容室にはダクトレールが予め施工されていることが多いので簡単に取り付けができレイアウトの変更も容易なダクトレール用の照明をお勧めします
模様入りガラス・ペンダントライト | ダクトレール用
11,979円
2. 癒しの空間を演出:シーリングライト
シーリングライトとは、天井に直接取り付ける照明のことです。 どちらかというと傘の下を中心に照らすペンダントライトとは異なり、高い位置から広範囲に光を届けることができるため、室内を均一に照らすメイン照明として多用されています。
店内全体を照らせ、温かみのある柔らかな空間を演出できるため、アットホームな雰囲気の美容室に仕上げたいときにおすすめです。 また、天井に直付けするシーリングライトはお客様の視界に入りにくいので、部屋全体をスッキリ見せる効果も期待できます。3. 店内にメリハリをつける:スポットライト
特定の部分を照らすスポットライトは、上手に配置すると店内の照明にメリハリをつけることができます。たとえばメインの照明にシーリングライトを採用しつつ、鏡の上や受付カウンターの上などにスポットライトを配置すれば、とくに目立たせたい部分を効果的に彩ることが可能です。
空間全体の明るさの確保から、オリジナルのシャンプーやトリートメントの販売を行っている美容室なら、商品を陳列した棚にスポットライトを当ててアピールしてみるのもよいでしょう。
スポットライトもペンダントライト同様、アンティーク調や和風など多彩なデザインが揃っているので、店内の雰囲気に合わせて選べばおしゃれなインテリアとしても活用できます。4. 広々とした空間演出が魅力:ダウンライト
天井や壁などに照明器具を埋め込むダウンライトは、広々とした空間を演出できる照明として人気です。
構造上、照度が低いので間接照明として用いられるのが一般的ですが、適切な場所に設置すれば十分な明るさを確保することが可能です。
逆に照度の低さを利用すれば、落ち着いた雰囲気を演出することができるため、リラクゼーションスタイルの美容室や、アジアン風・レトロ調の雰囲気を取り入れた美容室におすすめです。5. オールマイティに活用可能:シーリングスポットライト
シーリングスポットライトとは、名前の通り、シーリングライトとスポットライトの特徴を併せ持った照明のことです。
スポットライトの光源はそのままに、角度を自由に調節できるため、配置する場所や目的に合わせて幅広い用途に活用できます。 たとえば待合室では、お客様がリラックスして過ごせるよう、オレンジ系のライトを取り付けた間接照明として活用してもよいですし、各ブースでは手元を明るく照らすスポットライトとして使うのもおすすめです。美容室の照明が明るい2つの理由

ではなぜ美容室では、1,000ルクス以上の明るい照明が必要とされるのでしょうか。その理由は大きく分けて2つあります。
安心・安全な状態で美容作業を行うには、十分な明るさが必要不可欠です。
1. 美容作業がしやすい
美容室ではハサミを使ってカットするので、照明が暗くて手元が見えづらいと、安全に作業を行うのが難しくなります。
とくに日本人の地毛は黒色ですので、十分な明るさがないと毛の流れがわかりにくく、どの角度でハサミを入れればよいのか迷ってしまう可能性があります。 万一手元が狂ってしまった場合、イメージ通りに仕上がらないだけでなく、お客様の肌に傷をつけてしまうことになりかねません。
安心・安全な状態で美容作業を行うには、十分な明るさが必要不可欠です。
2. カラーの色合いを正確にチェックできる
美容室で行う毛染めはカラーバリエーションが豊富ですが、髪の染まり具合には個人差があり、同じ染料を使用して同じ時間だけ放置しても、まったく同じ色に染まるとは限りません。
髪色は照明によって見え方が変化するため、照明が暗いと本来の色味よりも落ち着いた色合いに見えてしまいます。美容室ではいい感じの色合いだったのに、太陽の下で見たら明るすぎてびっくり...なんてことも起こり得ます。十分な照度があれば、染まり具合や色味を正確に判断できると思います。
カラーチェックに関しては単純に明るければよいというわけではなく、光源による演色性の違いを考えることが大切です。
演色性とは、光源が見え方に及ぼす性質のことで、平均演色評価数(Ra)という単位で表されます。Raでは自然光に照らされた状態を100と定めているため、Raの数値が高い=100に近いほど自然光で照らされた状態に近くなります。 美容室でヘアカラーの色味をチェックする際は、Raが85以上ある状態が理想とされていますので、照明を選ぶ際は照度だけでなく演色性にも配慮するようにしましょう。
肌や髪の色が美しく輝くあかりでお客様の気分もアップ。

ヘアサロンをはじめとした美容関連の店舗に最適な高演色の光は、肌や髪の色の忠実な表現と、鏡の中のお客様の活き活きとした顔は、高い顧客満足度につながるかもしれません。
日本のJIS規格(JIS Z 8726)では、CIE(国際照明委員会)によって規定された14種の試験色に加え、日本人の女性の肌の色を表す15番目の試験色(No.15/マンセル1YR6/4)を追加し、光源の演色性を評価しています。この日本人特有の肌の色が特に美しく際立つように蛍光体の配合が設計されています。美容室の照明の明るさは法律で決められている

鏡の左右に光源をおいてしっかりとした明るさを確保します
素肌を綺麗に見せる高演色タイプのLEDならお客様の満足度も高いでしょう

56cm ミラーライト・リネストラ60W相当 | 昼白色
10,164円

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美容師法について
国が定めた美容師法の第十三条第三号では、美容室の開設者は美容所(美容室)について"採光、照明及び換気を充分にすること。"を義務づけられています。
[引用元]電子政府の総合窓口e-Gov:「美容師法」
ここでいう「十分な照明」の基準は美容師法施行規則第二十七条にて、"採光及び照明 美容師が美容のための直接の作業を行う場合の作業面の照度を百ルクス以上とすること"と定められています。[引用元]電子政府の総合窓口e-Gov:「美容師法施行規則」
ルクスとは照らされた面の明るさ(照度)を表す単位で、数値が大きいほど明るいことを示しています。 1ルクスはだいたい月明かり程度の明るさで、その100倍にあたる100ルクスは街灯下程度の明るさとされています。つまり美容師法では、街灯下程度の明るさがあれば美容のための直接の作業を行ってもよいと判断されるわけですが、実際には100ルクス程度の明るさで美容作業を行うのは困難です。そのため、美容室の照明を決める際は、人々のさまざまな活動を安全・快適に行える視環境を作るために日本工業規格(JIS)が定めた「照明基準総則」を基準にするのが一般的です。
JIS照明基準総則では、セットや毛染めなどを行う美容・理髪店における照度は1,000ルクス以上を推奨しています。[注1] 1,000ルクスはパチンコ店内程度の明るさですので、多くの美容室は光あふれる明るい空間となっています。美容室など素敵な店舗デザインのできるデザイナーのご紹介もしていますので、店舗照明と合わせて経験豊富なライティングファクトリー をご利用ください
[注1]JIS:「照明基準総則」参照